イギリスの大学院留学は授業料や生活費など多額の費用がかかるため、経済的な理由で留学を断念する人も多いです。
しかし、留学奨学金を利用すれば経済的なサポートを受けてイギリス留学を実現することができます。
そこでこの記事ではイギリスの大学院に留学するための奨学金についてご紹介します。
学生だけでなく社会人向けの奨学金制度もあるので、イギリスの大学院への留学を検討している方はぜひ参考にしてください。
英国の大学院に留学する際の奨学金の申請を容易にするため
貸与型と給付型とでは募集要項が異なりますが、どちらに応募する場合でも注意すべきポイントがあります。
例えば、英語力もその一つです。
一部の奨学金プログラムでは、一定スコア以上の英語力が求められます。
日本ではTOEICの認知度が高いですが、イギリスではTOEFLやIELTSの方が知名度が高いです。
TOEFL や IELTS では英語力を証明する必要があることが多いため、早めに勉強を始めてください。
最新の学歴証明書の提出を求められる場合もあります。
一定の成績を満たさない場合は、そもそも応募できない場合があります。
現役学生ならまだしも、社会人になると学力は変えられないので、学生のうちから努力する必要があります。
【貸与種類】イギリス大学院留学に利用できる奨学金
貸与型奨学金は大学院卒業後に返済が必要な奨学金です。
留学期間中は経済的なサポートを受けることができますが、修了後に返金しなければならないのでデメリットに感じる人も多いです。
ただし、給付型と違って審査に通りやすいというメリットがあります。
また、奨学金の種類によっては無利子のものもありますので、経済的負担を負ってでもイギリスの大学院に留学したい場合は貸与型を検討するとよいでしょう。
奨学金 1.JASSO海外留学支援制度
海外留学を希望する人のための貸与型奨学金制度です。
奨学金制度に応募する場合、その額は自己負担となります。
JASSOの留学支援制度には大学院留学に向けての「大学院学位取得型」をはじめ、大学留学や海外協力派遣型向けなど4種類あります。
第一種奨学金(海外大学院学位取得型) 留学支援制度(大学院学位取得型)は大学がとりまとめて行う応募と個人での応募がありますが、経済的支援を必要とする者に対して国費からサポートしてもらえます。
募集要項等詳しい情報はこちらからご覧ください。
【給付型】イギリス大学院への留学に利用
給付型奨学金は返済不要の奨学金です。
返済の義務がないため、経済的な問題も解決され、大学院への留学も可能になります。
ただし、返済不要というメリットがある一方で、採用基準は高く、成績や英語力などの条件が厳しい場合が多いです。
奨学金制度によって条件が異なりますので、事前に確認することをおすすめします。
では、イギリスの大学院に留学する際に利用できる給付型奨学金について見ていきましょう。
奨学金 1. イノアック国際教育振興財団
イノアック国際教育推進財団は、感性豊かな青少年の育成を目的として設立されました。
海外の大学・大学院に留学する学生を対象とした奨学金制度です。
応募資格は、応募時点で大学または大学院に在学している学生とします。
大学の研究生は対象外となりますのでご注意ください。
奨学金は月額10万円、助成期間は10か月~2年間です。
申請するには必要書類を所属学部・学科に提出する必要があります。
奨学金2.平和中島財団
平和中島財団は、海外の大学・大学院への留学を希望する日本人に支給される奨学金です。
高等学校を卒業していれば、留学先や専攻に関係なく選考を受けることができます。
年齢制限もありませんので、学生だけでなく社会人の方も応募可能です。
奨学金は学部生が月額15万円、大学院生が月額20万円で、最長2年間受給可能です。
日本人留学生の募集は毎年9月から10月にかけて始まります。
奨学金 3. 公益財団法人伊藤国際教育財団
伊藤国際教育交流財団は、海外の大学・大学院に留学する日本人学生を対象とした奨学金です。
参加資格には年齢制限があり、その年の4月1日時点で29歳以下となります。
ただし、学業を遅らせる正当な理由があれば、30歳以上であっても申請することができます。
奨学金制度には2種類あります。
1つ目は、欧米、オーストラリア、ニュージーランド、カナダへの留学を予定している人を対象とした「プログラムA」。
2つ目は、プログラムA以外の国への留学を予定している人を対象とした「プログラムB」です。
奨学金はプログラムAが月額2,000ドル、プログラムBが月額1,500~2,000ドルで、助成期間は2年以内と定められています。
年齢制限はありますが、学生から社会人まで応募可能です。
奨学金 4. トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム
若者の海外留学への第一歩を踏み出す機会の創出を目的とした奨学金制度です。
2013年に文部科学省によって開始されました。
大学や大学院などの留学をはじめ、インターンシップやボランティア活動など、幅広い留学機会をカバーしているのが特徴です。
奨学金の費用は、留学先や地域によって異なり、月額12万円または16万円です。
アジア圏の場合は15万円、アジア以外の場合は25万円の留学準備金の支援を受けられるのも魅力です。
奨学金の期間は28日から1年間です。
ただし、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」への応募には年齢制限があります。 留学開始日4月1日時点で30歳以下であること。
他の奨学金制度と比べて魅力的な点が多いので、興味がある方は早めに準備を始めましょう。
奨学金 5. 英国外務省チーヴニング奨学金
この奨学金は英国の大学院への進学を希望する学生を対象としています。
資格は学部での成績が優秀で、TOEFL79以上の英語力と2年以上の実務経験が必要です。
奨学金には授業料、生活費、旅費などが含まれており、1年間支給されます。
「英国外務省チーヴニング奨学金」は英国政府が直接支給する奨学金なので、他の奨学金に比べて条件が厳しいです。
ご興味のある方はお早めのご準備をお勧めいたします。
奨学金 6. 公益財団法人吉田育英会
公益財団法人吉田育英会は、海外の大学・大学院への留学を希望する日本人を対象とした奨学金です。
応募資格は、日本の大学院に在籍する者、国内の大学または大学附属研究機関に在籍し、研究に従事している者に限ります。
学生だけでなく、教授、講師、研究者も応募可能です。
ただし、留学する大学の専門分野は社会科学か自然科学のどちらかになりますので注意してください。
奨学金は月額20万円、給付期間は2年以内です。
専攻分野は特定ですが、条件を満たしている場合は応募することをお勧めします。
まとめ
今回はイギリスの大学院留学に使える奨学金についてご紹介しました。
奨学金には、返済不要の給付型奨学金と返済が必要な貸与型奨学金の2種類があります。 給付型ローンは返済の必要がないため経済的負担が軽減されますが、審査条件が厳しい場合が多いです。
一方、貸与型は修了後に返済が必要ですが、助成型に比べて審査が通りやすいです。
給付型への申し込みが難しい場合は、貸与型を検討するのも一つの選択肢です。
現在イギリスの大学院留学を検討している方は、今回紹介したポイントを参考に具体的な留学計画を立ててみてはいかがでしょうか?