日本とイギリスの大学院の違いとは?

日本とイギリス、国が違えば学習環境も大きく異なるのは当然のこと。

生活様式や習慣、大学院の規則など大小様々な違いがあります。

今回は日本とイギリスの大学院のベーシックな違いについてお伝えします!

短期集中なのはどっち!?留学生の割合や学生の年齢は?

日本とイギリスの大学院はそもそも何が違うの?

まずは在学期間や留学生の割合など一般的な違いについてお伝えします。

在学期間が違う!

日本とイギリス、国が違えば学習環境も大きく異なるのは当然のこと。

生活様式や習慣、大学院の規則など大小様々な違いがありますが、やはり一番の違いは在学期間です!

日本の大学院では修士課程は2年間です。

しかし、イギリスのマスターコースは1年間!

専攻学科にもよりますが、1年目はまんべんなく専攻に関する講義を受けて基礎力をつけ、2年目は修士論文の執筆に集中するのが日本の修士課程ならば、イギリスのマスターコースは1年間で基礎(講義)+応用(論文)が同時進行で進んでいくといっていいでしょう。

時間をかけてじっくり研究に取り組みたい人は日本の大学院が合っているかもしれませんね。

イギリスのマスターコースは、勉強以外に英語漬けの日々に順応する必要もあるので、更に大変です。

正直、ハードルはとても高いです。

しかし、ハードな分日本にいたら得られないグローバルな体験をし、その後のキャリアや生き方が大いにプラスになるのは間違いないでしょう。

グローバルなのはどっち?留学生の数

大学院に限らず、日本の教育機関は長らくグローバル化をスローガンに留学制度の充実や、留学生の受け入れを積極的に取り組んできました。

しかし、大学院の場合、学部生のような交換留学プログラムはそれほど充実していないのが現実。

一般教養を中心に学習する学部生と、専攻分野の専門性を高める研究を行う院生では、そもそも根本的な目的が異なるので仕方のないことかもしれません。

そのため日本から海外の大学院に留学する場合、ほとんどが個人留学となります。

そうした体制も影響しているのか、日本の大学院の留学生在籍率はまだまだ少ない状況です。

対してイギリスの大学院は、世界各地から優秀な成績や経歴を持った学生が集まります。

競争の激しい国際機関の奨学金を獲得して進学する留学生も多いので、非英語圏からきた学生によって更に高い学習水準が保たれるのです。

70%近くがイギリス人の場合や、逆に半数以上が留学生といった具合に学科によってその比率も様々。

しかし、キャンパスや寮に戻るとそのインターナショナルな環境はやはり日本と異なります。

やはり、「英語で授業がある・ない」は大学院にとってグローバル化を大きく左右します。

学生の年齢層も違う?!

在学期間、留学生の数の次に異なるのが学生の年齢です。

日本の大学院では、学部を卒業して進学する場合が一般的で社会人学生は少数派です。

これは、日本の社会や働き方も影響しているので、「一度社会に出てから学生に戻ることは難しい」という現実を表しているといえますね。

ですから修士課程の学生の年齢は、ほとんどが同い年といったところでしょう。

イギリスの大学院は、これも一概にはいえませんが、まず留学生が多い時点で年齢層も大きな幅があるといえます。

というのも、飛び級が許されていたり、休学して社会人経験を積んでから復学したり、よりレベルの高い大学に編入したりと様々な学習パターンが容認されているからです。

社会人を経てキャリアアップのために進学する人が多いのも特徴ですね。

海外には日本のように「浪人」という概念がありません。

また、新卒重視の日本と違い、入社当日から「何ができるのか」とキャリア重視の欧米社会は年齢を聞くのは大きなタブーとされているぐらい、「年齢にとらわれない」社会といえます。

よって、イギリスの大学院は様々やキャリアやバックグラウンドを持った学生が集まり、必然的に年齢層もばらばらになります。

授業のやり方や課題の取り組み方が違う!

学習方法が異なる日本とイギリスでは、授業形式や課題の取り組み方も異なります。

イギリスの大学院では一体どんな授業が待っているのでしょうか。

授業はレクチャーorセミナー形式どっち?

日本の学習方法の特徴といえる暗記型学習。

小学生の頃から、私たちが受けてきた教育は一人の教師が生徒全員に対してプレゼンテーションを行う、レクチャー的な授業でした。

個々が発言し、議論をするといった授業はおそろらく大学のゼミに入って初めて経験する人がほとんどではないでしょうか。

日本の大学院でも授業のほとんどは、このレクチャー形式といえます。

特に文系科目ではこのレクチャー形式が圧倒的に多い印象です。

しかし、イギリスの大学院では日本のゼミと同じく、少人数制で教授を中心に議論をしながら進行するセミナー形式がほとんどを占めます。

一方的に教授が話すレクチャー形式と異なり、セミナー形式の講義は出席者みんなで考え、議論し「全員で授業を作っていく」といった雰囲気があります。

そのため、積極的な発言や質問をする姿勢が求められます。

はじめはこうした形式に戸惑い、当てられないかと緊張しますが、日本とイギリスの教育方法が違うのでそれは当然のこと。

事前予習をしたり、授業後にクラスメイトや教授に質問するなどして、徐々に慣れていきましょう!

課題は個人で?それともグループワーク?

授業形式が対極的に異なる日本とイギリスの大学院。

となると、もちろん課題の取り組み方や学習方法も変わってきます!

どちらの大学院でも、課題のほとんどがレポートや論文、プレゼンテーションになりますが、それらを個人orグループで取り組むことが大きな違いとなります。

日本の大学院では、ほとんどの課題は個人でやることが多いですね。

それに比べイギリスではグループワークが課せられる機会が本当に多いです!

課題にもよりますが、ペアワークや10人近い人数のグループワークまで様々な取り組みが行われます。

一人で計画しマイペースに課題に取り組むことはできないので、ストレスに感じる人も多いでしょう。

それぞれの担当箇所の割り振りや、課題提出日までの予定など全員で議論し決めていく必要があります。

なので、学生グループがパソコンと資料を持ち合ってミーティングしている姿がキャンパスのあちこちで見かけられます。

グループごとに成績がつけられることが多いので、いかに質の高いレポートやプレゼンテーションを行うかみんな必死です。

つまり、連帯責任が問われるので学生たちの責任感は強まり、必然的に課題に対して積極的に取り組むことになるのです。

まとめ

今回は日本とイギリスの大学院のベーシックな違いについてお伝えしました。

中でもやはり、在学期間が1年と2年で異なるのは、将来のプランにも影響するので大きいですね!

自分はどちらの学習環境が向いているのか、この他にも様々な違いを考えじっくり検討していきましょう。