イギリスの大学院は1年で修士号が取得できるのに対して、アメリカは日本と同様で2年かかるって聞くけど、どうやって選べばいいのでしょうか?
行きたい専攻で選んだ方がよいのでしょうか?
国で選んだ方がいいのでしょうか?
この記事ではアメリカの大学院留学とイギリスへの大学院留学の違いについて解説していきます。
イギリスとアメリカの大学院 それぞれの違いについて
大学院留学をしたいけど、イギリスとアメリカの大学院のそれぞれの違いについて知りたい!
そんな方に向けて今回は両者の違い、特性について比較検証していきます!
1年と2年 就学期間
日本の大学院では、修士課程の期間は2年間とされていますね。
日本の修士課程に相当するイギリスのマスターコースは1年間と日本の半分になります。
研究と修士論文の執筆を2年間かけて行う日本の修士課程と比べると、その半分のスパンで結果を出さなければならないので、イギリスのマスターコースは短期集中型と言えるかもしれません。
一方で、アメリカの修士課程は2年間なので、日本と同じになります。
しかし、その勉強方法はゼミや研究が中心の日本の大学院とは異なり、授業を中心としたワークコース重視です。
卒業単位に必要なクラスの出席は必須なので、この点は日本の学部生と似ていますね。
受験勉強が違う!IELTSとTOEFL
イギリスとアメリカの大学院は、1年と2年で就学期間に大きな違いがあることがわかりました。
つづいて大きく異なるのは、大学院に提出する英語技能検定証明書の種類です。
イギリスの大学院では、このサイトでもすっかり定着しているので、みなさんおわかりかと思いますが、もちろんIELTSですよね!
しかし、アメリカの大学院から求められるのはTOEFLのスコアです。
単語や文法など基本的な英語の学習方法はどちらも共通しているので問題ありませんが、試験の出題方式や傾向の特徴を掴むことはとても大事。
イギリス英語、アメリカ英語の単語や言い回しの違いも理解しておく必要があります。
イギリスorアメリカの大学院どちらに留学するか決断ができたら、IELTSまたはTOEFL対策をはじめましょう!
出願時期はいつ?!Rolling審査と一斉審査
イギリスの大学院は、一般的に新学期がスタートする9月以降、おおよそ10月頃から出願がスタートします。
特徴的なのは、「Rolling審査」という制度を採用していること。
これは、出願者が定員数になったら応募を締切るというスタイル。
なので、明確な締切日は定められていませんが、出願するのは早ければ早いほどいいと言えます。
12月になると学期末テストやホリデイシーズンに入り、大学側も忙しくなるので、11月までの出願が理想です。
アメリカの大学院は、9月頃から出願がはじまり、年末年始に締切となるのが一般的です。
一斉審査なので締切までに出願すれば大丈夫ですが、大学によって具体的な締切日が異なるので余裕を持って出願しましょう!
合格通知が来る時期や入学するのはいつ?
願書を提出したら、あとは合格通知を待つのみ。
イギリスの大学院の場合、Rolling審査を行っているので基本的に出願が早ければ合否の結果も早く届きます。
年内に通知が来ることもありますし、出願が遅ければ年明け~4月頃に結果が届きます。
アメリカの大学院は、出願の締切が年末年始とイギリスに比べて若干遅いので、合格通知が来るのは4~5月頃を見込んでおくといいでしょう。
どちらも9月入学なので、合格通知をいつ受け取るかで渡航準備の期間も変わることになります。
年間スケジュールはどう違うの?
イギリス、アメリカどちらの大学院も入学は9月スタートと同じことがわかりました。
しかし、1年間のスケジュールは学期の振り分けが違うので大きく異なります。
例えば、イギリスの大学院では9~12月が秋学期(Fall Semester)、1月~5月の冬学期(Winter Semester)を経て、6~8月の夏休暇(Summer Vacation)に修士論文を執筆して9月に卒業という流れになります。
授業と論文に追われる1年間となるので、休んでいる暇はありません!
対してアメリカの大学院は、日本と同じ2年間あるのでインターンシップに通う人もいるぐらい時間に余裕があります。
学期はセメスター制で、9~12月と1~5月の2学期に分かれます。
6月から8月は長い夏休暇となり、留学生は帰国することもできますし、インターンシップやボランティアに参加する人もいます。
GREや条件付き入学は共通じゃない?!それぞれの特徴をつかもう
イギリスとアメリカの大学院について、大きく異なる項目について比較してみました。
ここからは、もう少し踏み込んでそれぞれの違いを検証します!
GRE、GMATのスコアは必要?
まずは、出願に必要な願書をまとめてみましょう。
イギリスの大学院に必要な願書は
- 大学の卒業証明書
- 大学の成績証明書(GPA)
- 小論文
- 推薦状
- IELTSのスコア証明書
つづいてアメリカの大学院に提出する願書は
- 大学の卒業証明書
- 大学の成績証明書(GPA)
- 小論文
- 推薦状
- TOEFLのスコア証明書
- 大学院進学適性テストのスコア
おわかりいただたけましたでしょうか。
IELTSとTOEFLの違いだけでなく、アメリカの大学院では進学適正テストが設けられています。
これは、GREまたはGMATを指すのですが、イギリスの大学院進学ではまず聞くことがないワードですよね。
GREは、Graduate Record Examinationsを略したもので、ライティング(Analytical Writing)、言語能力(Verbal Reasoning)、数学能力(Quantitative Reasoning)の3科目で構成されています。
文系、理系、修士、博士を問わずアメリカの大学院で勉強するために必要な学習能力を測る試験です。
GMATは、MBA(経営学修士号)志望者を対象に行われる試験で、Graduate Management Admission Testの略です。
ライティング(Analytical Writing)、総合分析能力(Integrated Reasoning)、数学能力(Quantitative)、言語能力(Verbal)の4科目から総合的にビジネスを学ぶ能力を測定します。
GMATは、アメリカに限らずイギリス、日本のMBA進学志望者に対して提示が求められることがあります。
しかし、MBA以外の学科に進学する場合、アメリカの大学院ではGREのスコアが必要であると覚えておきましょう。
イギリスの大学院はこうした適正テストはありませんが、その分GPAが重視されるのは言うまでもありません。
条件付き入学はイギリスだけ!?
イギリス大学院留学の特徴といえるのが「条件付き入学」です。
出願時にIELTSのスコアが入学基準を満たしていなくても、Pre Master Courseと呼ばれる大学院準備コースを履修することで入学を許可される制度を指します。
すべての大学院が条件付き入学を採用しているとは限りませんが、留学生に対してオープンな制度と言えますね。
しかし、Pre Masterを履修するだけでなく、IELTSを再度受験することが義務付けられていたりと、その制度も様々なので事前によく調べておきましょう。
アメリカの大学院にはこのような制度はありませんので、イギリスと比較すると入学条件がシビアに感じますね。
その分といっては何ですが、イギリスの大学院は短期集中型で休みは少なく、常に課題に追われる日々が続きます。
イギリス、アメリカ、どちらの大学院も総合的に見てプラス、マイナス面を把握しておきましょう。
まとめ
イギリスとアメリカの大学院は、就学期間からはじまり英語の勉強法、願書の種類や審査方法に至るまで大きく異なることがわかりました。
同じ英語圏でも全く違う制度なので少し驚きですね!
自分の専攻科目や研究環境、理想の留学ライフを送るにはどの大学院がいいのか、時間をかけて見極めていきましょう。
志望校がいくつかある場合は、それぞれのプラス、マイナス面を一覧にして比較することをおすすめします。
それぞれの違いが明確になり、客観的な判断ができます。
自分にとってベストな大学院を選んで下さいね!