イングランド北部にあるダラム(Durham)、街の名前だけではイメージが全くわかないという方が多いのではと思います。
そんなダラムにはイギリスを代表する名門校の1つがあり、イングランド北部ではトップクラスと言っても過言ではありません。
今回はそんなダラムについて、留学情報から日常生活までじっくり紹介していきます。
ダラムとはどんな場所?
手始めにダラムがどんな場所なのか抑えることにしましょう。
世界遺産の街
イングランド北部の産業都市ニューカッスルよりも僅かに南の所に位置するダラムは世界遺産の街として知られており、ダラム大聖堂とダラム城がそれぞれ登録されています。
また、昔ながらの街並みを維持しているだけのことはあって景観も美しいです。
学研都市
ダラムにはダラム大学などを中心とした多くの学校関係者が居住しています。
とりわけダラム大学に至っては世界中から多くの学生が集まってくるため、オックスフォードなどのように大学都市としての性格も持ち合わせています。
イングランドにしてはやや乾燥気味
イングランド北部のダラムはニューカッスルなどのようにやや乾燥気味な気候が特徴です。
イングランドの典型的な気候としては降水量はローマよりは少ない年間700mm前後でありながらも降水日数が多いという特徴があります。
ダラムの場合はというと、年間650㎜前後で、1か月あたりの降水日数は多くても12日間で、2~9月は9日間前後に留まります。
ただし、冷涼な点ではイングランドの他の地域と大きく変わらず、夏季でも最高気温が20℃を超えないことも珍しくはありません。
そのため、年中を通して暖かい服装が欠かせませんが、近年の地球温暖化で30℃を超えることも増えてきています。
ダラムの大学院
ダラムの大学院は1校のみです。
ダラム大学
ダラム大学は歴史が長く、オックスフォード大学などと同様にイギリス国内で最も歴史の長い大学のひとつとして位置づけられており、世界中から多くの学生が訪れます。
また、国内大学ランキングで常に10位以内(5~7位)なので名門校としても知られています。
ダラム大学ではロンドン大学などが採用しているカレッジ制(2020年新設のサウスカレッジも含めて17カレッジ)に加えて学部制も併用している点が特徴的です。
取り扱っている学術分野としては自然科学分野(物理学、化学、地球環境学、コンピューターサイエンス、生物学など)、経済学分野(マーケティング、経営学、経理学など)、社会科学・保健学分野(人類学、考古学、教育学、地理学、法学、体育学など)、人文学分野(哲学、文化学、言語学、音楽など)の4分野があります。
なお、詳細は後ほど説明しますが敷地内には世界遺産に登録されたダラム城があります。
住み心地は?
ほど近い所にあるニューカッスルと比較するとこじんまりした印象があるダラムですが、果たして住み心地はいいのでしょうか。
家賃
イギリス留学の際、住居は大学の斡旋サービス(Accommodation)を利用するのが主流です。
今回も同様で、ダラム大学の住居斡旋サービスを利用するわけですが、家賃は月あたり概ね70,000円前後~と安いというには際どいところです。
詳細は下記のURL(英語)からご確認ください。
物価事情
外食など日本よりも割高なものがある一方で自炊生活にするとむしろ安上がりになります。
例えば野菜類は概ね日本のほぼ半額かそれ以下で、トマトに至っては1㎏買っても100円未満です。
牛肉も1㎏1,000円圏内です。
衣服についてはザラなどの一部ブランドが日本より安く手に入ります。
交通事情
ダラムは決して大きな街ではないので市内交通は自転車で十分でしょう。
便利なことにダラム駅にはロンドン行やエジンバラ行の特急列車も停車するので長距離移動でも不便はありません。
ダラムからロンドン(キングスクロス駅)までは3時間以内、ニューカッスルへは15分、エジンバラへは2時間以内で到着します。
市内に空港はありませんが、北上した所にあるニューカッスルに空港があり、ダラムからは概ね1時間前後で着きます。
見所
まとめに入る前に世界遺産に登録された名所を2か所紹介します。
ダラム大聖堂
ダラム大聖堂は1000年もの歴史を誇っており、長らくイギリス国内のキリスト教コミュニティーにおいて絶大な権威を持っていました。
今もなお信仰の中心地となっていると共に、ノルマン様式で建築された教会の傑作とも言われています。
大聖堂の長い階段を上ると高さ66mの塔の最上部に辿り着き、そこからはダラムの街並みを一望できます。
余談ですが、実はダラム大聖堂は映画ハリーポッターでホグワーツ魔法学校として登場しています。
ダラム城
ダラム大聖堂と同様に世界遺産に指定されているダラム城はダラム大聖堂のすぐ近くの所に位地しています。
ダラム大聖堂と同じくノルマン様式で造られたこの城は11世紀に北部イングランドにノルマン王朝の影響力を示すためにできたとされています。
その後時代の移り変わりに伴って学生寮になったり、第2次大戦中は司令部が置かれたりと数奇な運命をたどり、現在ではダラム大学の敷地内に組み込まれ、大学生活の一部として溶け込んでいます。
まとめ
ややこじんまりした印象が強いダラムですが、名門校があるとなれば見方は変わったのではないでしょうか。
近場に都会もありますし、ロンドンも直行できるので決して不便な街というわけでもありませんし、日常生活面においてもコスパは良好です。
また、世界遺産の街なのでロンドンなどとはまた違った景色を見ながら生活できます。
これを機にダラムへの留学を検討してみてはいかがでしょうか。