カーディフ(Cardiff)という地名では馴染みがないかも知れませんが、ウェールズの都市といえば少しはイメージしやすいでしょう。
ラグビーワールドカップでも地元住民が観客先からウェールズの象徴であるネギ(しかも埼玉県特産のネギで)で応援していたことが話題にのぼったのが記憶に新しいです。
今回はそんなウェールズの都市カーディフについて、留学情報から日常生活までとことん紹介していきます。
カーディフはどんな場所?
まずはカーディフがどんな場所なのかおさえておきましょう。
ウェールズの中心都市
カーディフはウェールズの中心都市ですが、そのような位置付けになったのは比較的最近です。
産業革命以降、カーディフ港で石炭の積み出しをはじめたことでようやくウェールズを代表する大都市へと発展を遂げました。
しかし、ウェールズの中心都市として認知されるようになったのは同地方の首都として認定された1955年になったからのことです。
冷涼多雨な気候
気温については夏でも22℃前後でとどまることが多く、年間を通して冷涼です。
夏でも夜間は13℃前後まで下がるので寒暖差が激しいです。
降雨量も多く、10月から1月にかけては平均120㎜以上にのぼります。
年平均降水量は1000㎜超えと、イギリス国内では平均より降雨が多い場所になります。
カーディフの大学院
カーディフには4つの大学院があります。
カーディフ大学
カーディフを代表するカーディフ大学では3つの学部に分かれています。
人文・社会学部(経済、音楽、ウェールズ語、社会学、法学など)、バイオメディカル・生命科学部(薬学、歯学、バイオサイエンス、保健学など)、理工学部(建築学、工学、化学、地球環境学、宇宙物理学、数学など)で分かれており、カーディフ大学ではとりわけ経済分野に強みをもっています。
日本にも学術交流協定校が17校あり、その中に広島大学や国際基督教大学、北九州市立大学、三重大学なども含まれます。
カーディフ・メトロポリタン大学
カーディフ・メトロポリタン大学として独立したのは2011年と比較的に日が浅いですが、取り扱っている学術分野は豊富です。
学部は芸術学部、教育学部、経営学部、保健体育学部、テクノロジー学部の5つで構成されており、その内芸術学部は前身機関が設置された19世紀末から存続しているので歴史が長いです。
大学院ではこのところテクノロジー分野を中心に力をさらに注いでいます。
サウス・ウェールズ大学
サウス・ウェールズ大学はウェールズで2番目に規模の大きい大学として知られており、後述するRWCMDとも提携を行っています。
学部の構成は社会・経済学部(経済学、法学、人類学、社会学など)、理工学部(コンピューターサイエンス、工学など)、クリエイティブ産業学部(演劇、音楽、芸術、デザイン、フィルムなど)、教育学部(教育学、看護学、保健学、心理学など)の4学部で構成されています。
アニメーションや放送分野の取り扱いにも富んでいるのでアニメーターになってみたい人、TV業界に携わりたい人はこの機会に検討してみましょう。
ロイヤル・ウェルシュ・カレッジ・オブ・ミュージック&ドラマ(RWCMD)
名前の通り、音楽や演劇の分野に特化した専門大学で、大学院コースもあります。
分野は音楽、オペラ、演劇、舞台ミュージカル、ステージマネジメント(いわゆる裏方)、演出、美術マネジメント、若年コミュニティー(子供たちへの教育など)でさらに分かれており、表舞台に立たずとも舞台には何らかの形で関わりたい、あるいは劇場に上がりたいという人は要検討です。
また、現代建築のシアターのようなキャンパスもまた見ものです。
住み心地は?
ここまでカーディフの大学院について紹介してきましたが、果たして住み心地の方はどうなっているのでしょうか。
家賃
45㎡の部屋を普通に借りようとすると平均家賃は月当たり130,000円強はかかってしまい、決して安いとは言えません。
そこで各大学のアコモデーション(住居斡旋サービス)を通して借りると約半額の月当たり約56,000円から借りることができ、多くはキャンパスから近く、家具も揃っているのでお得です。
参考までにカーディフ大学のアコモデーションサイトもご覧ください。
物価事情
カーディフの物価は総合的には東京よりも2割安といったところで、つまりロンドンよりも割安ということです。
外食はここも例外なくお高くなりますが自炊すれば節約のハードルは下がります。
特に野菜類が安く、トマトは1㎏買っても300円未満、ジャガイモは200円未満です。
肉類は東京とあまり変わらず、鶏肉500gは400円強前後といったところです。
衣服の場合、ZARAなど一部ブランドが日本よりも若干安く手に入るといった具合です。
交通事情
カーディフには地下鉄がないので市内交通の主役はバス、時々フェリーになります。
バスの路線網自体は充実しているので大きく不便を感じることはないでしょう。
また、目的地によってはフェリーを使うこともできます(シティーセンター⇔カーディフベイなど)。
中長距離移動では長距離バス、鉄道(中心駅はカーディフ中央駅で、ロンドンへも直通)、空路が中心になります。
なお、ウェールズで空港がある都市はカーディフだけです。
見所
最後に一部ではありますが見所を紹介していきます。
カーディフ城
カーディフ城はウェールズを代表する城で、大理石の荘厳な城と思えば木目調も共存するユニークなお城です。
ウェールズ国立博物館
ウェールズの成り立ちや歴史について学ぶならまずはここに寄りましょう。
イギリスではここを含め、博物館は無料なので気が向いた時にいつでも学びに行けるのが嬉しいです。
まとめ
学習環境もさることながら生活面でもとても充実しているということが今回の記事でお分かりいただけたかと思います。
これを機にカーディフへの大学院留学を検討してみてはいかがでしょうか。