唐突ではありますがバーミンガムと言われると何をイメージしますか?
そういわれてもなかなか思いつきにくいバーミンガムですが(サッカーファンならバーミンガムFCが思い浮かぶかもしれません)、歴史を振り返ると世界的に重大なイベントにゆかりのある場所で、その後はイギリス第2の都市(現在ではマンチェスターが事実上第2の都市)として発展を遂げたいわば大都会です。
今回はそんなバーミンガムでの留学情報から日常生活までじっくり紹介していきます。
イギリス留学と言うとロンドンやオックスフォードなどが先行しがちですが、バーミンガムを選択肢に入れてみるのもいいでしょう。
バーミンガムはどんな場所?
まず手始めにバーミンガムについて紹介します。
産業革命の中心地
バーミンガムはいわば産業革命の中心地といえる街です。
18世紀までは漁村に過ぎませんでしたが、炭鉱が近かったことと、蒸気機関を発明したジェームズ・ワットらが活躍したことで産業革命期の間に工業都市へと飛躍的に成長していきました。
交通の要衝でもあったことが絡んであっという間にイギリス第2の都市にまで上り詰めた工業都市バーミンガムでしたが、副産物として深刻な大気汚染がもたらされ、スモッグで日光が完全に遮られる過酷な様相を呈していました。
イギリス第2の都市?
イギリス第2の都市にまで上り詰めたバーミンガムですが、現在ではそこに「?」が付いている状態です。
これは何故かというと人口はマンチェスターに追いつかれ、経済ではマンチェスターの方が堅調なこともあって世論も多くはマンチェスターをイギリス第2の都市として認識しているからです。
バルチ:バーミンガム生まれのカレー?
バーミンガムのご当地グルメの中にバルチというカレーがあります。
バーミンガム発祥説とバルティスターン(パキスタン)発祥説がありますが、ひとつ確かなのは1980年にバーミンガムで広がり、10年後にはイギリス全土に広がっていたことです。
バルチを提供するレストランはバルチハウスと言われます。
1年の1/3は雨
バーミンガムの気候は降雨日数の多い典型的なイングランドの気候で、日数にして1年の1/3は雨です。
また、冷涼な気候で、夏でも最高気温は20℃を越えるか越えないかという涼しさです。
そうとは言っても近年は地球温暖化などで30℃近くまでのぼることも増えてきました。
バーミンガムの大学院
バーミンガムには大学院が5校あります。
バーミンガム大学
バーミンガム大学はイギリス最古のビジネススクール(経済学科)と世界最大の時計塔「オールド・ジョー(チェンバレン記念時計塔」で有名です。
バーミンガム大学は5学部に分かれており、その内ビジネススクールを擁しているのが社会学部(教育学、政治学など含む)です。
他に法文学部、理工学部、生命環境科学部、医・歯学部があり、幅広い分野の学問を取り扱っています。
アストン大学
アストン大学はコンパクトな大学で全ての学部がひとつのキャンパスに集約されています。
アストン大学は5学部で構成されており、理工学部、保健・生命科学部、人文学部、アストン・ビジネススクール(法・経済学分野)、アストン・メディカルスクール(医学分野)から成っています。
アストン大学はイギリス国内の大学の中で学生の満足度の高さでトップ20にランクインしています。
バーミンガムシティ大学
芸術分野を専門とした高等教育機関が前身機関であるバーミンガムシティ大学で、人文学分野や工学系分野を中心とした大学です。
4学部から構成されており、前身機関と同じく芸術を専門とする芸術・デザイン・メディア学部、法・経済・社会学部、保健・教育・生命科学部、コンピューティング・環境建築・工学部から成っています。
バーミンガム市内では最も外国人学生の多い大学のひとつとしても知られています。
UCB(University College Birmingham)
学校名の中に大学を意味する単語が扶突も入っていてややこしいですが、もともとは短大や専門学校のような位置付けでした。
公式に大学として認定されたのは2012年と最近で、扱う学問分野はどれも仕事において実用的なものが多いのが特徴です。
学部は4学部で構成されており、ビジネススクール(経済学部)、教育・保健・コミュニティー学部、飲食・接客学部(日本でいう調理専門学校に近い)、スポーツ・クリエイティブサービス学部から成っています。
将来的にお店を開きたいと思っていたり、シェフなどになりたいと考えている人は検討してみてはいかがでしょうか。
ニューマン大学
ローマカトリック教会を母体とするニューマン大学は1992年のマザーテレサが来校したことで知られています。
この大学の特筆すべき特徴は学部を設置しておらず、代わりに関心の強いサブジェクトエリアを選んで受講する形になっています。
ここで取り扱っている分野としては教育学、数学、哲学、経営、コンピューティング、人類学、心理学、演劇、歴史、法学、保健学、スポーツ、社会学が中心です。
住み心地は?
これまで留学事情を紹介してきましたが、ここからは日常生活事情について紹介します。
家賃
バーミンガムで45㎡の部屋を借りようとすると通常なら約160,000円/年になりますが、大学の住居斡旋サービス(accommodation)を通した場合はその限りではありません。
例えばバーミンガム大学の住居斡旋サービスを通した場合は最安で約50,000円前後と、通常の半額以下です。
東京でアパートを借りるよりも安上がりですね。
物価事情
バーミンガムの物価は日本よりも1割程度安い程度で、グラスゴーなどと比較するとコストのかかる都市です。
しかし、そうとは言ってもロンドンよりは安い点が救いです。
食費については外食費が高くつきますが、自炊生活をするとトマトやジャガイモなどといった青果食品を中心に日本の半額以下で手に入るものが増えます。
例えばジャガイモは1㎏買って117円程度です。
交通事情
バーミンガムは実は地下鉄をもたない都市の中ではヨーロッパ最大級です。
そうは言ってもバス路線網が充実しているので心配には及びません。
中長距離移動の場合はバーミンガムは多忙で、鉄道についてはバーミンガム・ニューストリート駅(ロンドン方面、スコットランド方面、ウェールズ方面などが発着)がイギリスで最も忙しい鉄道駅として知られています。
ロンドンのスタンステッド空港まで直通する列車もあるのでなおのこと侮れません。
バーミンガム空港もあり、ロンドンエリアを除くイギリスの空港の中では3番目に忙しいです。
バーミンガムの見所
まとめに入る前にバーミンガムの見所を一部ではありますが紹介していきます。
ガス・ストリート流域
ガス・ストリート流域(Gas Street Basin)は赤レンガの建物に挟まれた運河で、現在では観光名所のひとつになっています。
バーミンガム中心部にあるのでちょっとした散策にもおすすめです。
散策しながら産業革命当時の様子を思い浮かべるのもいいですね。
バーミンガム大聖堂
大聖堂というにはややこじんまりしているような印象が特徴的なバーミンガム大聖堂は18世紀にできた教会です。
バロック様式が美しい外見の教会の中に入ると大きな3枚のステンドグラスに圧倒されることでしょう。
まとめ
今回はバーミンガムについて留学事情、日常生活事情について紹介させていただきました。
イギリス最古のビジネススクールがあると思えば学部を設置していない大学もあってユニークな教育環境をもつバーミンガムでした。
産業革命時代の足跡を探しながらユニークな教育環境のあるバーミンガムで留学してみませんか。