ニューヨークはお馴染みの地名ですがその由来はイギリスの街であることはご存知でしたか?
ニューヨークは直訳すれば新ヨーク、その由来となったヨーク(York)が今回紹介する街です。
ロンドンやオックスフォードなどと比較すると留学先としての知名度はいまひとつですが読み終わったときには見直すこと間違いなしです。
ヨークはどんな場所?
まずはヨークの位置関係や地理などについて確認することにしましょう。
イングランド北部の鉄道の要衝
ヨークはイングランド北部にある街で、ロンドン(キングス・クロス駅)からニューカッスル・エジンバラ方面行の特急列車で2時間前後で到着します。
そんなヨークは鉄道が生まれて間もない19世紀頃からロンドンとニューカッスル方面へのアクセスの良さを背景に鉄道交通の要衝として栄えていました。
現在でも交通の要衝であることには変わりはなく、20万近くの人が住む都市になっています。
比較的に暖かい夏と雨降る冬
イギリスの夏は一般的に25℃を越えることは稀だと言われますが、ヨークは例外です。
夏季のヨークは最高気温が27℃まで上ることが珍しくなく、沿岸部に比べると暑くなりやすいです。
ただし、1日の寒暖差は他の都市と変わらず激しく、特に春や初夏、秋口には1日に四季があるといわれるほど変化が激しいです。
また、冬の降水日数はイギリスの多くの都市と同様に多いですが年間降水量ではローマ(837㎜)の方が多いです。
ヨークハムの故郷
豚の品種の中にヨークシャー品種があり、ヨーク地方が原産地になっています。
そんなヨークを代表する食べ物がヨークハムで、いわゆるスモークハムです。
ヨークハムはヨークシャー品種の豚を3週間塩漬けにし、さらに樫の木のチップと一緒に燻製にすることで木の香りが心地よい味わいになります。
ヨークの大学院
ヨークには2つの大学院があります。
ヨーク大学
最初に紹介するのは総合大学であるヨーク大学です。
日本での知名度は高くないながらもイギリスの地方大学の中では実はトップクラスです。
また、イギリス全体でもトップ25に入る実力の持ち主でもあります。
ヨーク大学は8つのカレッジで構成されており、大学院コースでは考古学、生物学、化学、コンピューターサイエンス、経済学、教育学、文学、電気工学、保健学などの多彩な分野の中から履修できます。
特筆すべきは鉄道学(Railway studies)のコースがある点で、さすがは鉄道の街の大学だと感じさせられます。
ヨーク・セント・ジョン大学
ヨーク・セント・ジョン大学はもともとリーズ大学を構成しているカレッジのひとつでした。
リーズ大学から本格的に独立したのは2006年と最近で、以降ヨークの2校目の総合大学になっています。
在籍する学生数は6000人台と、ヨーク大学の約1/3程度です。
大学院では経済学、心理学、教育学、人類学、哲学、保健学、スポーツ科学、言語学、芸術、コンピューターサイエンス、メディア学の分野の中から履修することができます。
住み心地は?
侮れない教育環境がヨークにあることはひとまず分かりましたが、いざ住んでみるとなるとどうなのでしょうか?
家賃は?
イギリスで留学する際、住居は留学先大学の斡旋サービスを使わないと家賃はあっさり10万円を越えます。
例えばヨーク大学の住居斡旋サービス(Accommmodation)を通すと、大学院生向けだと最も安くて55,000円/月の物件があります。
このような物件ではシャワールームが共有になりますが、そうであっても個室はあるのでプライバシーは確保できます。
1か月あたりの家賃の平均としては概ね80,000円前後/月の物件が多いですが、家具などは全て揃っている点でコスパはいいと言えるでしょう。
University of York : Accommodation
物価事情
物価事情について、結論から述べると生活費は総合的に日本の2割引き、ロンドンの3割引きと考えてもらえればいいです。
外食についてはイギリスの他の都市と大きく変わらずあっさり1,000円を超える高水準ですが、自炊すれば安上がりです。
鶏むね肉(478円/500g)のように日本とは大きく変わらないものも見られますが、牛乳1Lは107円、ジャガイモは衝撃の1㎏あたり90円台という安さです。
交通費については後述しますがヨークはコスパのいい街でもあるようです。
交通事情
ヨークの市内交通はバスが中心です。
しかし一口にバスとは言っても東京のようにバス会社が複数存在しますが、シングルチケットの運賃は概ね300円前後~です。
学生割引を使えば6000円程度/月のマンスリーチケットでお得に利用することができます。
市外交通については鉄道と中長距離バスが中心で、特急列車を使えばロンドンやスコットランドも日帰り圏内です。
体調管理
既に寒暖差の激しい気候であることについて先述した通りですが、夏真っ盛りの時期でも夜間は10℃台です。
そのため、常態的に体調不良になるリスクと付き合うことになるので体調管理には細心の注意が必要です。
季節関係なく暖かい服装を常備しておくのが無難です。
ヨークの見所
まとめに入る前にヨークの見所も併せて紹介します。
イギリス国立鉄道博物館
鉄道好きには堪らないのがこれから紹介するイギリス国立鉄道博物館です。
大宮の鉄道博物館や京都鉄道博物館と姉妹提携をしているこの博物館では100両を越える機関車や200両にも及ぶ客車や貨車、そして数万にも及ぶ膨大な数の関連品が展示されています。
そのため、鉄道博物館としては世界最大級の規模ですが入場料はなんと無料です。
余談ですがイギリス国内に限らず海外の車両も展示されており、その中に日本の初代新幹線である0系も含まれています。
ヨーク大聖堂
ヨークを代表する教会で、ヨークミンスターとも呼ばれます。
ゴシック様式の聖堂建築物としては北ヨーロッパ圏内ではドイツのケルン大聖堂と並んで最大級の規模を誇ります。
もともとカトリック教会として建てられたこの教会は16世紀の宗教改革で国が反カトリックの方針を打ち出してから過酷な歴史を辿ってきました。
そんなヨーク大聖堂は現在では市を代表する名所になっています。
城壁
かつてのヨーロッパの都市は城壁の中に構成されていました。
ヨークも例外ではなく、現在でもその痕跡は明瞭に残っています。
城壁はごく僅かな箇所を除いて依然として途切れずに残っており、現在でも実際に城壁を歩くことができます。
まとめ
知名度が日本ではあまり高くないわりには教育環境、生活費のコスパの良さ、本場のヨークハムなどと、教育も住み心地も決して侮ることのできない街だと分かりました。
つまり、留学先としての魅力も備わっているということです。
これを機にヨークへの留学を検討してみてはいかがでしょうか。