イギリス留学となるとIETLSの得点をより高いものに、と語学力向上で手いっぱいになってはいませんか?
確かに英語がわからないと、授業もついていけませんが、だからと言って英語だけを勉強してもダメなのです。
1番の課題である、修士論文(Dissertation)の書き方もわからないと大学院を修了できません。
ここでは、イギリス留学後に修士論文(Dissertation)の情報やツールを説明したいと思います。
まずは、修士論文(Dissertation)の準備をしっかり!
大学院修了を目指すとなると、必ず最後の難題として、修士論文(Dissertation)を書きあげなければなりません。
まずは、全体の構成を考えよう!
専攻によっては、構成や方法が違うかとは思いますが、基本的な修士論文(Dissertation)の構成を説明します。
修士論文(Dissertation)は量が多い上に、いざ書くとなると非常に時間がかかるため、しっかりと計画と仮説を立てた上で進めていくことをオススメします。
- テーマを決める
- 仮説をしっかり明確にする
- 全体の構成を考える
- 文献をどこからどういう情報を集めるか決める
- データの収集の仕方を考える(アンケートかインタビューかなど)
- 書き始める
大まかには上記の流れで進めていきます。
この手順を怠ると、仮説が検証できなかったり、不要な文献を集めてしまったりと無駄な時間を費やしてしまいます。
ですから、しっかり構成を練った上で進めることをオススメします。
学術論文を集める
修士論文は大学院や専攻にもよりますが、だいたい12,000字~15,000字くらい書かなくてはいけません。
あなたが立てた仮説検証には、質・量も高い文献を集める必要があります。
主に文献を集めるものとしては、
- 図書館で本・学術雑誌から情報を収集する
- 図書館やオンラインで文献を収集する
の主な2つになるかと思います。
図書館ではそれぞれの大学院で使い方が違うと思いますので、割愛しますが、オンライン上で効率よく文献を集めルために役に立つサイトを紹介します。
- エメラルドインサイト(Emerald insight)
こちらはジャーナル(学術雑誌)・学術論文・ケーススタディーなどがたくさん掲載されているサイトになります。
各大学で、アカウントが作れるかと思いますので、こちらを参考にして文献を探してもらえればと思います。
Discover impactful Journals, Books & Case Studies from Emera…
- グーグルスコアラー(Google scholar)
こちらは無料で学術論文をGoogleから検索できるサービスです。
Googleの検索バーに「Google scholar」と打つと出てきますが、ここから色々な学術雑誌・論文等を検索できます。
Google Scholar では、さまざまな学術文献を簡単に検索できます。多岐にわたる分野と出典の論説、論文、書籍、要…
図書館、上記のサイト等を使って効率よく文献を集めることをオススメします。
どうやってデータを集めるのか?
次に、あなたが立てた仮説を検証するに当たって、データを集めなくてはいけません。
集めるに当たってまずは下記を参考に何を定めなくてはいけないか明確にする必要があります。
- どのくらいのデータが必要なのか
- インタビュー(Interview)形式で行うのか/アンケート(Questionnaire)を行うのか
- どの範囲のデータを集めるのか(大学内なのか、街頭なのか、オンライン上なのか)
こちらをまず決めます。
それから、仮説を検証するためには、何をどのように質問したら的確な回答がもらえるようなインタビュー(定性)もしくはアンケート(定量)の質問項目を考えなくてはいけません。
ここが第一関門とも言っても良いかもしれません。
インタビューの場合
- 1対1なのか/グループなのか
- 自由に回答できる形式なのか/選択させる形式なのか
- 質問数はどのくらいにするのか
- 男女・年齢比が平等になるようにどのように集めるのか
など、まだまだたくさんあるとは思いますが、しっかりと準備した上でインタビューを行わないと行ってから使えないデータになってしまったというわけにはいきませんので、ここはしっかり時間を割きましょう。
アンケートの場合
- オフラインなのか/オンラインなのか/両方なのか
- Yes・No問題なのか/リッカート尺度(5・7・10段階から選択させる方式)なのか/自由回答なのか/それぞれをどのくらいの比率で構成するのか
- 質問数はどのくらいにするのか
などを考えなくてはいけません。
アンケートはインタビューより量を集めることが可能ですが、質問の質次第で結果や内容が大きく左右されるので、質問は慎重に考えましょう。
また、何よりもインタビューもアンケートもその後分析をすることも考慮し、しっかり作ることをオススメします。
イギリスで実際に使ったアンケートツールはこちらです。
Collect feedback, improve experiences and perform assessment…
※個人的なアドバイスですが、アンケートを行う場合は、分析でSPSSツールを使うことを考えるとリッカート尺度の質問を一定数入れることをオススメします。(相関関係など分析しやすくResultのセクションで使えるからです)
修士論文(Dissertation)の書き方・進め方とは?
データや文献が揃ったところで、早速修士論文(Dissertation)を書き始めましょう。
主な構成としては、
- Acknowledgement(150-200文字)
- Abstract(200-300文字)
- Introduction(800-1,000文字)
- Literature review(2,500-3,000文字)
- Methodology(1,500-2,000文字)
- Analysis and results(3,000-4,000文字)
- Discussion(3,500-4,000文字)
- References
- Appendices
このようになっていますが、上から順番には書いていきません!
書ける方は書いていっていただいて問題ないのですが、進める順番としては、次の「スケジュール管理」で説明します。
スケジュール管理
こちらの図は私が実際に行ったスケジュールです。
見にくいので、まとめますと、
- Literature reviewで使う文献を集める
- Questionnaireを行う
- Analysisを行う
- Resultsを出す
- Introductionを書く
- 主な内容を書く
- 分析方法・分析結果・結論を書く
- 何回も書き直す
- 最後にAcknowledgementとAbstractを書く
が主な流れになります。
その他必要なツールとは?
研究内容によって分析の仕方や方法は違うかと思いますが、ビジネスの分野で一般的に使われる分析ツールを最後に紹介します。
- SPSS
聞きなれない方もいらっしゃるかとは思いますが、SPSS(Statistical Package for Social Scienceの略)は、IBM社が作ったデータを分析する時に使うツールです。
これによって、アンケートなどで集めたデータの関係性や、因果関係の有無を分析します。
授業等でも別途SPSSの使い方や分析方法については説明されると思いますので、今回はざっくりの紹介にさせてもらいます。
まとめ
イギリス大学院留学の最大の難関が修士論文(Dissertation)です。
書く内容が重要なのはもちろんですが、まずは全体の構成を考え、しっかり仮説を立てることが修士論文を成功させるかどうかの分かれ目になります。
また、私自身の経験や友人の話を聞くと、インタビューやアンケートなどでのデータ収集時に、予期していたようなデータが取れずに苦戦している人が多かったので、こちらも時間をしっかりかけて作ることをオススメします。
皆様が素敵な修士論文を書き上げ、有終の美を飾れますように。