イギリス大学院の1年間の授業の流れ
学期制
イギリスでは、Term(ターム)と呼ばれる3学期制で授業が行われます。
9月から授業が始めるので、
- 9月から12月の最初の3ヶ月間をTerm1
- 1月から3月をTerm2
- 4月から6月をTerm3
6月の最後の授業を向かえた後は、Dissertation(修士論文)を書き上げるために授業はありません。
授業の構成
ビジネスの分野での授業は主に2つに分けられ、レクチャー形式とチュートリアル形式が主流です。
ですが、専攻によってはそれ以外の授業形式もあります。
レクチャー形式
こちらは日本でもおなじみの教授が生徒に教える「レクチャー」での授業の形式になります。
多くの授業はこの形式が取られ、授業が始まる前に事前に提示されるpre-readingと呼ばれる予習をしてから授業に望みます。
Pre-readingとは、教授が各授業の理解を深めるために、生徒に教科書の範囲や、文献、ケーススタディーを読み、自分の考えをまとめてくることです。
多くの生徒はこのpre-readingをしっかり行ってきています。
ですが、この課題が100ページを読んでくるようになんてことはざらにあります。
読むだけでも大変なのに、自分の考えをある程度まとめておかなくてはいけないので、これが院生が忙しい理由です。
もちろん教授によって本当に多種多様な授業にはなりますが、提示された課題を読んでいっても全く新たな企業の事例を挙げて説明する授業を行う教授もいます。
一方で読んできた感想や考えを生徒に問う方もいらっしゃるので、それは先生次第としか言えないかと思います。
ですが、日本人である私としては厳しかったのは、ヨーロッパでは有名な企業でも日本ではあまり知られていない企業や過去の出来事などを授業で討論することがあり、そういう場合はもうお手上げだななんて感じることもありました。
チュートリアル形式
もう一つは、クラスを少人数に分けられ、そのグループでの活動を主とした授業です。
この授業の特徴は、教科書や文献等を理解した上で、教授が掲げる事例を各グループで分析、リサーチ、どういう戦略を提案するかまでを考えるといったものです。
これの形式は比較的ビジネスの専攻の授業で行われることが多いかと思います。
それ以外の形式
私の友人は、「アクセサリー」という学科を専攻していたのですが、こちらはビジネスの分野とは違い、実戦形式の授業になります。
ひたすら各自で作品を作り続けるといったもので、専攻によって本当に授業の形式が違うのもイギリスの大学院ならではかなと思います。
ビジネスを専攻されている方はTerm終わりはテスト(Examination)が多いのに対して、アクセサリーを専攻していた友人は作品を提出することがテストの代わりでした。
また一方で、TESOLという英語教授法というコースの方はテストが一切ない代わりに、エッセーを提出するという形と本当に様々です。
グループワーク
日本でも度々メンバー間で問題になるグループワークですが、イギリスではさらにそれを上回って大変です。
チームによって本当にさまざま
マーケティングの分野は、社会に出てもチームで仕事を行うことが多いため、大学院でもグループワークの授業が多いです。
ここでは、2つのグループワークについて書いていきます。
なぜグループワークについてわざわざ書くのかとお思いでしょうが、知っていて行うのと、知らなくて行うのとではメンタル面で大きく変わってくると思いますので、こちらに書きたいと思います。
ぜひ、皆様がこれを読んで気が滅入ることがないようにお役に立てたら幸いです。
- 個人を尊重するチーム
まず紹介するのは個人がバラバラで活動したグループワークの例です。
こちらは、最後の授業でプレゼンがあるというのに話し合いは1時間で終了。
一回も全員で通す練習をしないまま本番を迎えそのまま個人のパートを発表し、コースが終了といった形です。
日本でも出席率が悪いような授業では上記のようなことは起こるのかもしれませんが、こちらでは割とあるケースかもしれません。
集まった唯一の1時間は全体的にどういったプレゼンにするかを話し合っただけです。
その後は、facebookでグループを作って各自出来た人はそこにあげてみんなが確認、コメントする。
本当にこれだけです。
私としては、これで大丈夫なのか、せめて発表前に1回みんなで練習してから当日を迎えるなどあってもいいのではないかと思うのですが、本当に1発本番を迎える。
これだけで終了しました。
心配性の上、英語にかなり不安が合った私は、自分のパートを同じグループのメンバーに見てもらってから、発表をしました。
大学院留学する前に日本でプレセッショナルコースのようなところでイギリスでのプレゼンを学んだつもりでいましたが、その方法とは大きく違っていて、論理的に話すというよりは、インパクトが大事みたいで、結論をドンと伝えることが大事な様子でした。
もちろんこれは個人の意見ですし、生徒ですのでこれが100%正しいというわけではありませんがイギリスでのプレゼンは、インパクトが大事であることも学べました。
- どの判断も全員で進めるチーム
もうひとつのグループは上記とは対象的で、ひたすら集まりました。
図書館に朝の9時から夜の9時まで居続け、みんなで内容を練りに練ります。
実際12時間も一緒にレポートを練っていたのは大変でしたが、そのおかげでdistinctionのマークももらえましたし、私としてはこちらの方が良いのではないかなと思います。
結果として、様々なチームがありますが、日本以上に国籍や個人の性格によってグループの色が違います。
リーダー気質でまとめるような方がいない限りまとまらないですし、個人主義を重んじている人もいらっしゃいます。
いろんな人がいることを留学前に心得ていただければ、決して気を病むようなことがないと思いますので、”成るように成る”とある程度委ねてもらえればと思います。
まとめ
授業の形式、進め方、グループワークも本当にコースや教授によって様々です。
後から友人と話した際に、日本人は責任感が強いからかグループワークをする際にちゃんとコミュニケーションが取れてなくてメンタルがやられていた方が多かったので(私も含め)、今回グループワークを始め、授業の形式を書いてみました。
大したことない内容ですが、是非皆様が上記のことを心得た上で授業を受けていただければ幸いです。